最近、シボレーの直6エンジンに縁があります。
ちょうど今、頼まれている車も直6仕上げ。
正直シボレーの直6は、あまりやってきてないのですが、エンジンはエンジン。基本は一緒ですが、部品は勉強しなければなりません。
輸入したエンジンは216cin。
もう一基はバラします。No.1に水が入っています…
クランクが回りません…
クランクが回らないので、クラッチカバーも外せません。ベルハウジングは、フライホイールを外さないと外せないし。かなりピンチな状態です。知恵の輪です。
もう慣れっこですが、時間はかかります。体力も使います。
エンジンをひっくり返して、オイルパンを外して、あらゆる場所からアプローチを仕掛けると、どうにかばらせました。
ヘッドはバルブ系がダメージを受けていますね。
ブロックとの接地面は歪みが出ています。面研ですね。
う〜ん、しょうがないな、まあ想定内。
ブロックの調査のため、キャスティングナンバーから情報を調べます。
ブロックは1955~57の235cin。
シリンダーヘッドは、1956の235cin。マッチしますね。
エンジンのデータを調べて、計測に入ります。
ピストンは.060オーバーサイズ。シリンダーに段付きがないので、ボーリングしてからそれほど走っていないと推測できます。ホーニングしてNo.1シリンダーのサビを綺麗にして、ピストンクリアランスを測定。クリアランスは.002がかなりキツイ。入らないかもという所。
基準の範囲の余裕があるので、もう少しホーニングしても問題なく入っていた.060ピストンが使える。
これはグッドニュース。
クランクサイズ、メインベアリングとロッドベアリング部分をすべて計測。電卓をたたき計算しながら行います。入っていたベアリングを確認。どうやら.020アンダーサイズのベアリングが入っていたのですね。リグラインドされています。そこからベアリングのオイルクリアランスを計算。
その計算した値を証明するため、ベアリングとブロックを綺麗にして、ブロックにベアリングを付けて、クランクを乗せプラスチゲージを使い、メインキャップを規定トルクで締め付け、また分解。プラスチゲージの潰れ具合でオイルクリアランスを確認。
ほぼ計算通り。
このエンジンを組んだ人は、かなり詰め詰めで組んだ模様。というか、内燃機屋に注文するとき、かなりミニマムな一杯一杯のギリギリで注文したのだろう。ミニマムの数字を下回っていた可能性さえある。
クランクシャフトは若干の荒れがあるのでラッピングすることに決定。ベアリングサイズは元と同じ.020アンダーサイズの新品を使用することに決定。
オイルクリアランスがかなり少ないので、多めにラッピングしないといけない。大変そうだがしょうがない。がんばろう。
まあ、こんな感じで進んでいきます。
あとは、いろいろな部品の問題を解決しなければならない。
216cinのエンジンを使用する場合、ベルハウジングの問題がある。もう1台もやらなければならないからだ。付けたいトランスミッションはマンシー。1960年代のミッションなので、1940年代から1950年代前半のベルハウジングでは取り付けできない。1960年代のベルハウジングは、216cinのエンジンには付かない。両方がつくベルハウジングは1950年代半ばの物。フォードのフラットヘッドのようにアダプターがないので、シボレーの純正部品をうまく使わなければならない。
もう少し部品の勉強、研究が必要になるだろうな。
ず〜と勉強し続けなければならないのは承知済み。
頑張りまーす。
しかし、出来上がったら良い感じになることだろう。直6でオープンドライブ。オリジナルの1940〜1950前半の弱点や良くない部分、心配が解決され、フィーリングもかなり良いだろうことが想像出来るのです。足回りもバッチリなので楽しみです。