最近、リヤアクスルをよくバラします。
リアアクスルのサイドベアリングには、大きくわけると2種類あります。
GM系で多いのは、ローラーベアリングタイプ(GMの60年代以前は除く)交換作業は比較的簡単だが、ベアリングと共にアクスルシャフトもダメージを受けます。アクスルシャフトが直接ベアリングを受けています。
キャデラックのリアから異音がしているので分解。アクスルシャフトのベアリングがあたる部分がダメージを受けています。
ビュイック ロードマスターは、異音はそれほどでもなかったが、リアのハブシールからオイル漏れ。アクスルシャフトが減り、ガタが出てオイルが漏れていました。
これらのローラーベアリングのリアアクスルは、ホーシングのリア側にデフを分解するフタが付いています。俗にいう10ボルトや12ボルトは、このフタを止めているボルトの数です。カバーを外し、ピニオンギアのシャフトを抜き、アクスルを内側に押すとリアアクスルの内側先端のC型クリップが外れて、アクスルを抜く事が出来ます。
好きではない部分は、デファレンシャルがホーシングに付いているので、歯アタリやバックラッシュ、プレロード調整は車上でやらなければなりません。これらの調整は、シムで行なうので、面倒です。あと、アクスルシャフトの横方向に多少のガタが有るので、気持悪く思う方もいます。
60年代からのフォードや、日本車で使われているのは、ラジアルボールベアリングタイプ。ベアリングがアクスルシャフトに圧入されていて、タイヤ側のバックプレートやプレート類で固定されています。ラジアルベアリングなので、ラジアル方向(横方向)の力もベアリングで受けているので、ベアリングは抜けない様に圧入され、さらにリテーナーも圧入されて、抜けない様になっています。ベアリングの交換は少し大変ですが、よほどベアリングを焼き付けない限り、アクスルシャフトのダメージは有りません。
デフがキャリアに付いていて、キャリア事ホーシングから外せるので、調整は楽です。調整もネジ式が多いので、これも楽ですが、フォードの9インチなどはキャリヤがびっくりするくらい重いので、注意が必要です。
その他にテーパーローラーベアリングタイプの車も存在します。
こちらは、フォードのバンジョウデフ。特殊な作りです。リアアクスルとギヤが一体となっているので、内側から組付けます。そのため、全てバラバラにしなければなりません。調整はガスケットの厚みで行なうので、何度か分解組付けを繰り返します。
横方向は内側のテーパーローラーベアリングで受け、アクスルはローラーベアリングで受けていますが、直接アクするを支えていません。ベアリングはハブに入っていて、内側はホーシングのチューブで支えているので、アクスル自体は車重を受けていません。
普通はアクスルで車重を受けているので、この構造は特殊で面白いですね。
問題点は、キーウェイ構造。テーパーな先端にキー溝が有り、キーが1つは行っているだけなので、弱さは有ります。時々折れるのも弱点です。決まってこの位置で折れるので、折れるとタイヤが外れます。そのため、折れたとき用に脱輪防止の装置を付けておかないと、とても危険です。
このように、リアアクスルでも年式やメーカーによって、いくつかのタイプが存在しています。それぞれ特徴があって面白いです。