2012年12月22日土曜日

1955 NASH Metropolitan

今年のYOKOHAMA H.C.S.で復活デビューした、ナッシュ・メトロポリタン。

先週、構造変更が終了して、車検取得しました。

課題である、スピードメーターと、エアコンの吹き出しの取り付けが完了したら、納車になります。

10年以上、大切に乗って来た車が、信号無視の車に当てられ、無惨な姿に。

オーナーも気を失った程の事故。

 完全に潰れています。



 フロントは、センターもずれ、持って行かれてます。



 普通に考えたら廃車ですが、珍しい初期型のメトロポリタンのコンバー。
大切にして来たので、どうにか復活させたいというオーナーが、パンプキン ・サリーに持ち込みました。


 なにしろ、フレーム自体を修正しなくては始まりません。モノコックボディーを、丁寧かつ大胆に修正して行きました。

潰れて、修正の邪魔になるボディーパネルは、カットされ外され、さらに修正。


 修正が終わると、フェンダーや使えないボディーパネルの製作に取りかかります。
メトロポリタンのフェンダーなどは買えるものの、中古部品で、しかもお金をかけても良いものが届くとは限りません。しかも、合うかどうかの保証も無し。

修正と製作の両方で進めます。

モノコックのため、フェンダーは溶接でバッチリついているので、カットしたり溶接をはがして叩きました。

1番ひどい左のライト周辺と、フロントパネルはワンオフで、シートパネルから叩き出して製作して行きました。


フェンダーを仮止めし、作ったパネルを合わせながら溶接して行きます。



 ライト周辺の溶接部分は、ハンダを入れなじませます。



 右フェンダーも、かなりのダメージです。しかも、昔の修正部分や厚いパテが邪魔をしてくれます。しぼるのも限界がきた部分は、1度カットして、また溶接。

錆びていたロッカー部分もついでに製作して、溶接しました。

形が整ったら、錆び止めをしてボディーに溶接。


 もう、事故をした事も忘れそうな感じになりました。



 仕上げにパテを入れ、塗装の準備。



事故前と同じ色にペイント。



 やはり、かなり問題のあったフロントブレーキ。



 ディスクに変更。メトロポリタンは、初期・中期・後期と分かれますが、初期・中期型のスピンドルは、折れる事があるそうで、このメトロも1度折れたので、後期型に変更。



 度々折れるリアアクスルのホーシング。異常にきゃしゃなのも、みてとれます。




スズキの軽のリアアクスルをナローして、アッセンブリー交換。太さもメトロポリタンより太く、どう見てもヘビーデューティーです。



 エンジン回りの配線を整理。



 ビンテージエアーのユニットをセット。



 もともと、ダッシュのフタの無いモデルですが、アルミでダッシュドアを製作して、エアコンのコントロールスイッチを中にセット。これで、インパネはすっきりし、オリジナルの内装をキープ出来ます。



 アルミ製で、やはりよれよれの中古しか買えないステッププレートは、アルミでワンオフ。足下もシャキッとしました。



エンジンは、やはりスズキの1300ccです。ヘッドカバーもポリッシュして、吸気チューブもステンレスでワンオフ。オリジナルであった様な自然な仕上がりに。



 ヘッダーズは、ステンレスで製作。




前回のメトロポリタンでやった様に、プロペラシャフトは2分割を採用。



各クロムパーツは、リクロムしてフレッシュに。




 細かい所ですが、ヘッドライトもルーカスのバルブ式にH4を入れ、光量を確保。




 インジェクションにオートマトランス、ディスクブレーキ、エアコンなど新しい機関を投入して、快適ドライブを手に入れました。オーナーを見かけたら、感想を聞いてみて下さい。オーナーもびっくりの出来になっています。



 インテリアもオリジナルを尊重して、エンジンスワップしてる事は解りません。
シフトレバーも、オリジナルを使っています。
シートやカーペット、ドアパネルも張り替え、クリーンな内装で、新車当時を再現。



 15年所有していたメトロポリタンは、また新しく生まれ変わり、これからも普段の足になり、仕事にイベントに、走り回るそうです。



オーナーの桑沢さん。

日本には、結構な台数のメトロポリタンが輸入されていると思われます。

メトロポリタンでお困りの方、その他の車でお困りの方、ご相談下さい。

パンプキン・サリーが、生まれ変わらせます。